筆者は現地、テレビ観戦合わせて週に1試合以上、観戦しています。
自分自身のプレイヤーとしての経験や観戦していて気付いた点を記します。
DAZNのハイライト(こちら)と Football LAB (こちら)やJリーグ公式サイトのトラッキングデータ(こちら)を用いて分析します。
この試合は調子の良くなかったヴィッセル神戸が2対1でFC東京勝利しています。
はじめに
今回はサッカーの試合の考察をしていきます。
現代サッカーではデータから多くのことがわかります。
このサッカーとデータの面白さを多くの人に知ってもらいたくて書くことにしました。
サッカーが好きな人にはもっと好きになってもらえれば、
そうでない人はJリーグに興味を持っていただければ、幸いです。
結果
Jリーグ公式サイトより(こちら)
Football LABより(こちら)
このデータより前半の神戸は左サイド、FC東京は右サイドから試合を作っていたことがわかる。
この試合の主に前半について考察する。
3つのポイント
- キーマン対策
- プレッシング
- スプリント
キーマン対策
FC東京のキーマンは44番の松木玖生。
彼はチーム内で奪取とラストパスの数がトップである。
(ここでいう奪取とはボール奪ったもののうち、攻撃につながったもの)
以下は Football LAB (こちら)のFC東京のデータの抜粋である。
この松木選手をどう抑えるかが鍵となっていた。
結果的には、前半はほとんど仕事をさせなかった。これが端的に結果に表れている。
前半は意図的なのかはわからないが、システムと戦術がしっかりとハマっていたので考察する。
ヴィッセル神戸のビルドアップ
- 左サイド
《ヴィッセル神戸の左サイドでのビルドアップ》
49小林が最終ラインのあたりから中盤まで相手ゴールへ動きボールを呼び込む
↓
35塚川は49小林についていく
↓
神戸は4-1-2-3
東京は4-2-3-1
↓
44松木は5山口のマークにつくため低い位置となる
- 右サイド
《ヴィッセル神戸の右サイドでのビルドアップ》
右サイドは22佐々木と2飯野は縦に強い特徴がある
↓
11武藤、5山口はあまりスペースを潰さないように動く
↓
2飯野がオーバーラップやインナーラップする
↓
東京の35塚川や44松木はプレスバックする必要がある
↓
神戸は4-1-2-3
東京は4-2-3-1
↓
44松木は低い位置となる
FC東京のビルドアップ
《FC東京のビルドアップ》
基本
東京は4-1-2-3
神戸は4-2-3-1
↓
11武藤が機を見てプレッシングする
↓
49小林が連動してコースを限定したプレッシング
↓
44松木が落ちてきて受けようとするが5山口がついていく
↓
24Jスウォビィクは出しどころがなくなる
このように東京の松木選手が高い位置をなかなか取れなかった。
しかもマッチアップの神戸の山口はボール奪取に優れており、元日本代表。
松木選手に高い位置でボールを持たせなかった、自由を与えなかった。
これが前半神戸が試合を優位に進められた要因だと考える。
プレッシング
ヴィッセル神戸のプレッシング
これは1点目のゴールシーン(後半10分)は即時奪還ができたことがゴールにつながったシーンだった。
素早い切り替えと見事な連動に注目してもらいたい。
ハイライト 1:15 から(ハイライトはこちら)
ボールを奪われた瞬間5山口が右から31安部をすぐに追いかける
↓
31安部は外に開いた17紺野しかパスコースがなくなる
↓
24酒井が狙い、インターセプト
↓
24酒井から16汰木とつなぎ、最後は5山口がシュート
このシーンはハイプレス、即時奪還ができた象徴的なシーンだった。
FC東京のプレッシング
後半37分、これが前半ほぼ唯一の東京の決定機だった。
ハイライト 3:04 から(ハイライトはこちら)
17紺野が左から寄せる
↓
15Mトゥールレのパスコースが限定される
↓
23渡邊が17菊池に右から寄せることで2飯野へのパスコースを消す
↓
44松木が前向きでインターセプト
↓
東京がシュートまでもっていく
東京は前から連動してミドルカウンターにつなげた良いシーンだった。
このシーンでは神戸は17菊池が寄せてくる23渡邊に気づくのが遅れたが、そのあとの対応はよかった。
この日の神戸は帰陣が非常にはやかった。
スプリント
最後に注目したいのがスプリントだ。
スプリントとは10~30メートルの距離を時速24キロメートル以上で走ること。
つまり、短距離のダッシュだ。
これの回数を見ていく。
以下はJリーグ公式サイト(こちら)からの抜粋だ。
20回を超えているのが神戸の2飯野と11武藤である。
これは両チーム合わせてもトップの2人だ。
- 2飯野
1点目のゴールシーン(後半10分、ハイライト 1:15 から(ハイライトはこちら))ではオーバーラップからのクロスでチャンスメイク。
攻守にわたり果敢なランニングで右サイドを活性化させた。
終盤まで運動量は落ちず、守備面でも高い貢献度だった。 - 11武藤
攻撃面では右サイドにも左サイドにも顔を出し、裏に抜け出すタイミングもよかった。
ハイボールをしっかりと競れいた点もよかった。
前線からのプレッシングも起点となれていた。
まとめ
非常に見ごたえのある試合だった。
ヴィッセル神戸としては終盤の失点はよせが甘く、痛かった。
しかし佐々木、Mトゥーレル、小林、飯野、武藤を途中交代で休ませることができたのは中3日のガンバ大阪戦に向けて大きい。
FC東京はボールの狙いどころやビルドアップなどの改善点が浮き彫りになっていた。
個性豊かなアタッカー陣がそろっているので、これからに期待したい。
今回初めて、データを使ってサッカーを独自に分析してみました。
データからサッカーを見ると新たな発見があり、おもしろかったです。
また、書きたいと思います。
お読みくださり、ありがとうございます。