【仕事研究】高岡浩三氏から学ぶ 今後伸びる企業とは!?

高岡氏は2010年から2020年までネスレ日本のCEOであり、現在はケイアンドカンパニーの代表です。

イノベーション道場といった起業家向けの塾もされており、教え子にはヤマップやスカイドライブの代表もおられます。

筆者は彼が登壇するセミナーに参加してきました。

はじめに

外資系企業での役員として経験豊富であり、世界のトップマーケターである高岡氏から「パーパス経営とイノベーションの創造」という題目でお話をいただきましたのでここにまとめます。

企業や業界を選んでいる最中の学生やオフィスなどで働いているが刺激が少ないと感じている人。
今の組織の中あるいは組織を飛び出して何かを始めたい人にお読みいただきたいです。

日本経済が抱える問題

高岡氏はしきりに日本の経営はレベルが低いとおっしゃっておりました。
失われた30年、これは現在の経営陣の責任だともおっしゃりました。

根本的な問題に銀行が日系の大企業の株主となっているため、倒産させることができない点を指摘されました。
こちらは日銀が大株主となっている企業とその弊害についてまとめられた記事です。

企業の経営が上手くいかなくなる

株価が下がってくる

株価が下がりすぎることを懸念して日銀が株を買う

ゾンビ化した企業が倒産せずに生き残る

簡単にまとめるとこのようなことが起こっているのです。
このことからも日本の経済が成長していないことは容易に説明できます。

パーパス経営

最近はやりの「パーパス経営」、企業の存在意義を明確にして目的をもつこと。軸をぶらさない経営が求められています。

今回は高岡氏のお話から彼独自の「パーパス経営」を紐解いていきます。

高岡氏はパーパス経営の中でも、パーパスに焦点をあててお話されました。

パーパスの種類

どの企業も企業理念(存在意義、パーパス)を持っています。

「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていきます」
「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」

前者はネスレの企業理念で後者はあんきどスシローの企業理念です。

高岡氏は
「前者は今の時代に適していているが後者は適していない。これが企業価値につながる。」
とおっしゃっていました。

ネスレについて

企業理念をもとにネスレの行った事業を2つ記します。

  1. 農村支援
    カカオ農家を金銭面で支援する。
    → カカオ農家は助かる。
    → ネスレに最優先でカカオを売ってもらえる。
  2. プラスチックのゴミの削減
    キットカットのパッケージをプラスチックから紙へ
    → パッケージの予算は10倍になる。
    → チョコレートの大きさを小さくしたり、数を減らしたりして対応。
    →チョコレートの粒が小さくなったことで肥満防止につながる。

スシローについて

うまいすしを腹一杯は先進国が飽食となっている時代には適しません。

高岡氏は以下のアイデアを出されました。

  • カロリーを見える化する。
    → 飽食時代のため、食べすぎは健康によくない。
    → 食べる量が減るため、売上は下がる。
    → 値上げをする。

日本は高齢化社会を迎えています。
これからも進んでいき、消費量が減ることは間違いありません。

健康的な食品と安心安全の品質、適切な値段設定で対抗するしかないでしょう。

企業のパーパスと個人のパーパス

企業には明確なパーパスがありますが個人にも明確なパーパスが必要です。
企業のパーパスとその企業で働く個人のパーパスに大きな違いが見られる場合は上手くいきません。

筆者は企業を決める際、または転職する際には、自分のパーパスを再確認すること。
そして、それが自分の就職する企業とどの程度一致しているのかを確認する必要があると考えます。

また、起業するにしても企業のパーパスをしっかりと持って人に伝えられるべきです。

イノベーションの創造

人類はイノベーションと共に進化してきました。

団扇

扇風機

エアコン

と進化していったように困りごとを解決することで便利で快適な世の中を作り出してきました。

イノベーションとリノベーション

イノベーション → 革新的な技術などによって新たなものを生み出す
        → 認識していなかったり、諦めていたりする問題を解決

リノベーション → 既存のものを修復し、性能を上げたり、新たな価値を加えたりする
        → 認識している問題を解決

マーケティングとイノベーション

マーケティングとは顧客問題解決のプロセスです。
細分化すると以下のようになります。

顧客は誰かを見極める

新しい現実を捉える

顧客が抱える問題を発見する

解決策を発見・発明する

次の章では日本の今の現実について記していきます。

日本の現実

現在、日本の最頻死年齢は男女ともに90歳前後です。
もう少しで人生100年時代が到来します。
昔は人生60年と言われていたこともあったのですが、今まさに新たな時代に進もうとしています。

高岡氏はセミナーの中でこんなことをおっしゃっていました。
「今後日本では経済的な理由で亡くなる人の割合が増えるだろう。
 ダーウィンの進化論のように変化に対応することこそが重要だ。」

筆者はこれは日本の経済状態の悪さから日本がだんだんと貧しくなっていくからだと捉えました。
今起きている現実を客観的に捉えて、解決策を考える力が最も必要になってきます。
AIが台頭してきた現代は、それができない人は必要とされなくなるのだと危機感を覚えました。

成功への近道

創造力を鍛える

高岡氏は常に考えることの重要性を強く訴えておられました。

電車内で新聞を見ているとき、自分がこの会社の経営者だったらどうするのかを考えているそうです。
考えることが癖だともおっしゃっていました。

  • チューインガムと新聞紙
    → かつては電車内や駅構内、自宅などで暇つぶしに使われていた
    → 現在は暇つぶしがスマートフォンにとって代わった
    → まったく関係のないと思われていたチューインガムや新聞紙の競合がスマートフォンに
  • 100円コーヒー
    → 人通りが多い通り、地下の缶コーヒーの売上がよくない
    → ホーム付近の外であれば、人が少なくても売れる
    → 温度が売れ行きと関係している

「自分だったらどうする?こんなことが問題だな。解決策はないだろうか?」

常にこれを考え続けられる人が成功するのだと感じました。

トライ&エラー

「イノベーションを起こすには人と同じことをしていてはいけない、人と違ったことをしなければならない。人に話してテストしなさい。」

高岡氏はこうおっしゃりました。

人と違うことをしているのでヒット商品は10人に1人しか共感してくれないものだそうです。

人に話すことで洗礼されていき、テストすることで効果がわかる。

「顧客の問題解決につながり、十分に顧客が存在する。」

誰もが自信がないのだから、この場合は迷わずに突き進むべきだと感じました。

まとめ

筆者が高岡氏のセミナーを受けて
高岡氏の向上心の高さと年齢以上の若さを感じました。

21世紀で必要なスキルは

  • 顧客の問題を発見し解決策を導き出す力
  • 実験をする勇気と度胸

であると感じました。今後、筆者は高岡氏の著書のイノベーション道場を拝読する予定です。
筆者の近所の書店で売り切れとなっていたほどの人気商品です。(ご購入はこちらから)

この記事があなたのお役に立っていれば、幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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