成長著しい顧問紹介・派遣サービスについてまとめてみました。
実際にこの分野の1企業を訪問したので、その経験も踏まえて書きたいと思います。
はじめに
まず、「顧問」について説明します。
「顧問」とは、企業やその他の団体が行う業務について、意思決定を行う権限は持たないものの、求められて高度な意見を述べるために置かれる役職のこと、あるいはその役職に就いている者を指します。もともと名誉職的な性格が強く、引退した元役員などを内部の常勤ないし非常勤の顧問に充てるケースが一般的ですが、近年は弁護士や社会保険労務士、各種コンサルタントなどの専門家に外部顧問として顧問料を支払い、専門的見地から指導や助言などのサービスを受ける企業も増えています。これを顧問契約といいます。
コトバンク
簡単にまとめると「顧問」とは専門的知見をもとに企業に助言する人を指します。
「顧問契約」を締結するお手伝いをする企業が顧問・紹介派遣サービスに分類されます。
サービスについて
概要
解決したい課題を抱えている企業とその課題のプロフェッショナルである顧問とをマッチングさせます。
このときに顧問紹介・派遣企業はクライアントである企業とは業務委託をしてもらい、コンサルティング契約を締結します。
また、登録顧問のうちの適任者と顧問契約を締結します。
筆者が訪問した顧問紹介・派遣サービス企業は顧問紹介をして終了ではありませんでした。
企業課題を解決する、事業を成功させるところまで伴走する点と顧問の質を売りにしています。
後者については顧問全員と登録前に面接しており、顧問募集の広告等は出さないことで質が保たれています。
筆者が訪問した企業の分かりやすい事例を紹介します。
参入企業
筆者が調べたところ、13社の顧問紹介・派遣サービスが見つかりました。
リクルート、パーソル、パソナ、マイナビなどの人材業界の参入に加えて設立して10年以内の新しい企業が多かった印象です。
訪問時にマーケティング部長さんとお話させてもらいました。あと数年でファーストベンター(業界最王手)が決まるので今が勝負どころだそう。
顧問
顧問には大きく分けて2つのタイプの方がいます。
- シニア層
大企業の重役などを歴任され、人脈が豊富な方。
または、研究職などに長年従事されたその道のプロの方。 - 若手(20~40代)
IT/Web、マーケティング、新規事業参入などの領域での高い実績を持つフリーランスや起業家。
導入事例
- Webマーケティング体制構築支援
新規顧客獲得のためにマーケティング戦略の策定、体制構築をできる人が社内にいなかった。
新型コロナウイルスが蔓延したことも重なる。
→Web媒体でのマーケティング、新規事業開発経験者を紹介。 - カフェ業態参入支援
自然素材を使った化粧品が売りの化粧品メーカー。
化粧品がコンセプトのカフェをオープンしたかったが、ノウハウがない。
→デパートの物産展の責任者を歴任した食品衛生のプロを紹介。
メリット・デメリット
メリット
利用する企業
- 求めている顧問を比較的容易に見つけることができる
優秀な人材を獲得することが困難な昨今、大きなメリットである。
独自に交渉をしていたら、膨大な時間がかかってしまう。 - 雇用するよりも費用が抑えられる
プロフェッショナルな人材を雇用しようと思うと年間数千万円かかる。
このサービスを利用すれば、スポット(一時的)で雇用できるので費用が抑えられてリスクが最小限。 - 人材育成コストがかからない
人材育成に費用をかけずに、簡単に専門知識が手に入る。
顧問
- シニア層
自身の専門分野で社会貢献できる。探す手間が省ける。 - 若手(20~40代)
普段は関われない人に出会い、新たな分野に携われる。スキルアップにつながる。
デメリット
利用する企業
- 支払い額が多くなる
直接契約した方が金銭面が抑えられる。 - 情報漏洩のリスク
あくまでスポット契約(一時的な契約)であるので機密事項に関することや技術・ノウハウの流出の恐れがある。
顧問
- 手取り額が少なくなる
直接契約を締結した方が金銭面での利益は大きくなる。 - スポット契約なので都合の良い契約期間を決められない恐れ
直接契約契約をした方が顧問にとって都合の良い契約を締結しやすい可能性あり。
人気の顧問
若手の顧問で通信業界やインターネット関連サービス業界の研究所を経て、データ分析会社を企業。
データ分析や解析業務に強みを持った方です。
研究テーマを以下に記します。
- バスの時刻と忘れ物の関係
- 牛の飼料の種類と肉の質について
- ATM引き出し回数とローンの組んでもらいやすさ
データ分析を専門にしている筆者からすると大変興味深く、聞き入ってしまいました。
「DXが注目されている昨今、人気の顧問です。」
と顧問紹介・派遣サービスのマネージャーさんがおっしゃっていました。
まとめ
個人的にいくつかのリスクはあるが、それを上回るメリットがあると感じました。
外部顧問は注目が集まっており、成長の著しい業界・業態であるのは間違えありません。
筆者が働いている人にお会いした中で、様々な業界のキーマンと話します。
そのため毎日、経済系のニュースをチェックしてチーム内で共有されているそうです。
最近は商社がコンサルティングに参入したり、
消費者がモノではなく、体験を求めるようになって日本のヘルスフルネスが注目されたりと変化の著しい昨今です。
大変ではあるが、やりがいの多い業界なのではないでしょうか。