Jリーグが開幕しましたね。
筆者もオフシーズンはW杯やプレミアリーグなどを画面越しに見てきましたが、やっぱりスタジアムは圧巻ですね。
今季は収容人数制限なし、声出し可能試合も増えてきます。
筆者は現地、テレビ観戦合わせて週に1試合以上、観戦しています。
自分自身のプレイヤーとしての経験や観戦していて気付いた点を記します。
DAZNのハイライト(こちら)と Football LAB (こちら)やJリーグ公式サイトのトラッキングデータ(こちら)を用いて分析します。
この試合はヴィッセル神戸が1対0でアビスパ福岡に勝利しています。
はじめに
今回はサッカーの試合の考察をしていきます。
現代サッカーではデータから多くのことがわかります。
このサッカーとデータの面白さを多くの人に知ってもらいたくて書くことにしました。
サッカーが好きな人にはもっと好きになってもらえれば、
そうでない人はJリーグに興味を持っていただければ、幸いです。
結果
Jリーグ公式サイトより(こちら)
Football LABより(こちら)
このデータより前半は神戸は中盤を経由しながらゲームを作っていたこと、福岡は右サイドがストロングポイントだった、
後半はサイドの攻防が目立っていたことが分かる。
今回はこの試合を考察していく。
3つのポイント
- ビルドアップ
- スターティングメンバー
- 交代策
ビルドアップ
以下は Football LAB (こちら)の試合データの抜粋である。
このデータを見てわかる通り、ボールを保持する神戸と早い攻撃を試みる福岡という構図になっている。
よって、神戸のビルドアップ(組み立て)を見ていくこととする。
ピックアップシーン 前編
前半23分の10大迫のシュートシーン。
ハイライト2:30から(ハイライトはこちら)
これをもとに神戸のビルドアップを解体していく。
《ボールの動かし方》
この上図は中盤でボールを拾って左の19初瀬に展開した場面である
↓
18井出が裏に抜ける
↓
18井出を17中村から33 Dグローリにマークを受け渡す
↓
18井出の動きによりできたスペースに16斎藤が降りて受けにくる
↓
16斎藤が11山岸、17中村を引き付けて15本多へ落とす
ピックアップシーン 後編
16斎藤が引き付けたことで15本多に11山岸が遅れてプレッシャーにいく
↓
15本多は余裕をもってボールを持てる
↓
タイミングよく11武藤が足元でもらいにいく
↓
11武藤の動きにつられて5宮が付いていく
↓
5宮が空けたスペースを10大迫が使う
この一連のシーンを見ても神戸は選手の特徴、相手に合わせたビルドアップができていたことがわかる。
ただ、10大迫のシュートシーンはまだまだ開幕したばかりで本調子ではない気がした。
今後に期待したい。
スターティングメンバー
やはりスタメン(スターティングメンバー)が試合の出場時間は長くなってくる。
開幕戦はこのスタメンに新戦力がどの程度絡んでくるのか、そのできが勝敗や今後の期待感に大きく関わる。
この日の神戸は
2飯野、3 Mトゥーレル、6サンペール、8イニエスタ、17菊池、25大﨑
と多くの主力が欠場している。
一方で、
15本多、16斎藤、18井出
の3人の新加入選手がスタメンに名を連ねた。
- 15本多
以下は Football LAB (こちら)の試合データの抜粋である。
守備ポイントが両チームトップであり、空中戦や対人、カバーリングはさすがであった。
この経験値は今季の神戸に必要とされるだろう。
ただ、ビルドアップではやや不安があったように思う。
プレシーズンマッチでは左サイドバックで起用されていたことも考えると3 Mトゥーレル、19初瀬などとポジションを争うようになるだろう。
- 16斎藤
以下は Football LAB (こちら)の試合データの抜粋である。
ボール奪取とポジショニングはさすがだった。
プレシーズンマッチではIH起用だったが25大﨑が欠場したためアンカー起用となった。
攻撃時は18井出が前にでることで5山口と2ボランチとなった。
攻撃時は3-2-3-2、守備時には4-3-3と変則的な中、気の利いたポジショニングだった。
ボールを上手く散らしていたシーンもあったがしばしばロストするシーンも見られた。
そこは昨季からの課題だと思う。
個人的にはIHよりアンカーの方があっていると思う。
- 18井出
以下は Football LAB (こちら)の選手データの抜粋である。
東京Vから来た新戦力である。
昨季は怪我もあり限られた出場時間であったが、それを感じさせないプレーだった。
足元の技術は高いものがあり、ある程度自由が与えられると輝くタイプだろう。
14汰木がタッチライン際で生きるため、相性が良かった。
左の中盤のスペースを自由に使って、期待の持てるプレーでボールロストも少ない。
プレシーズンマッチとこの試合を見て、この選手のできが今季の神戸のできを左右するのではないか。
昨季の神戸にはいなかったタイプだ。
次にアビスパ福岡。
7金森が欠場していた。
スタメンには新加入の
8紺野、22亀川
が入った。
- 8紺野
以下は Football LAB (こちら)の試合データの抜粋である。
これを見ると福岡は右サイドからのシュートが多いことがわかる。
90分を通して福岡のストロングポイントとなり続けていた。
2湯澤、17中村とのコンビネーションは期待を持てた。
ボールを持つとワクワクするがほぼ右サイドしか攻撃がなかった。
終盤はパワープレーになったが、ボールをもったときのセンスは抜群だった。
- 22亀川
右サイドが福岡のストロングポイントであったため、バランスをとってプレーしていた印象。
24酒井とのマッチアップには手を焼いていた。
昨季まで所属していた志知と比べてしまうが、まだこれからか。
今後に期待したい。
交代策
Jリーグ公式サイトより(こちら)
この試合は選手交代が明暗を分けたといっても過言ではない。
神戸は新戦力の26ジェアンパトリッキが躍動した。
14汰木とは違い、縦に早く、力強いドリブルで粘り強い福岡のDFラインを破壊した。
対峙する2湯澤はだいぶ手を焼いていた。
福岡は8紺野以外からあまりチャンスが作れておらず、後半はほぼ対策されてしまった。
前線の選手層の薄さが露呈してしまった。
新戦力の27佐藤には期待したいが、個人で打開するタイプではないので周囲とのコンビネーションが見られるのはもう少し先になりそうだ。
まとめ
今季を占う開幕戦。
サポーターを含め、両チームの激しい球際、スタジアムの雰囲気は圧巻だった。
非常に締まったゲームで見ごたえ十分
ヴィッセル神戸は新戦力が戦えることを示した先が明るいゲームとなっただろう。
今季は主力の復帰により競争のチーム内での競争の激化が予想される。
またACLがない分、集中してリーグ戦に取り組めるだろう。
アビスパ福岡は8紺野の加入により右サイドの活性化、99井手口のデビューは好材料だが、ゴール前30メートルのアイデアが足りない印象。
自慢の堅守に得点力がついてこればといったところだろう。
戦術は浸透しているが、前線の選手層の薄さは気になる。長谷部監督の手腕に期待したい。
今回は戦術に加えて新加入選手にスポットを当てて書いてみました。
データを超える驚きもサッカーの面白さだと思うのでこれからもJリーグの試合の記事を書いていきたいです。
お読みくださり、ありがとうございます。